問1 (ボイラーの構造に関する知識)
伝熱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)温度差のある物体内部で、高温部から低温部へと熱が流れる現象を熱伝 導といい、普通の平板壁では、伝熱量はその温度差に比例し厚さに逆比例 する。 (2)金属などの固体表面とそれに接する流体との間での熱移動を熱伝達又は 対流伝熱という。 (3)液体の沸騰又は蒸気の凝縮のように相変化をともなう場合の熱伝達率は 比較的小さい。 (4)物体が保有する内部エネルギーの一部を電磁波の形で放出し、それが他 の物体面において吸収されることによって生ずる熱移動が放射伝熱である。 (5)固体壁の両側に温度差のある流体があって、熱が高温流体から壁面を通 して低温流体に伝えられる場合の伝熱を熱通過又は熱貫流という。
問2 貫流ボイラーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)一連の長い管群だけから構成され、給水ポンプによって一端から押し込 まれた水が順次、予熱、蒸発、過熱され、他端から過熱蒸気となって取り 出される。 (2)負荷変動により大きな圧力変動を生じやすいので給水量や燃焼量の応答 の速い自動制御を必要とする。 (3)細い管内で給水のほとんどが蒸発するので、十分な処理を行った水を使 用しなければならない。 (4)超臨界圧ボイラーでは、水の状態から沸騰現象をともなうことなく連続 的に蒸気の状態に変化する。 (5)小形貫流ボイラーのボイラー水の循環方式は、多管式の場合は強制循環 であり、単管式の場合は自然循環である。
問3
鋳鉄製ボイラーを暖房に使用する場合、蒸気ボイラーと温水ボイラーのそれ ぞれの得失に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)温水暖房は、装置全体の熱容量が大きく、蒸気暖房よりボイラーの運転 がやさしい。 (2)温水暖房は、装置全体の熱容量が大きいので、放熱器の表面に付着した ごみや粉じんが焼けこげて不快なにおいを発生することがある。 (3)蒸気暖房は、装置全体の熱容量が小さいので、ボイラーの燃焼開始から 暖房開始までの時間が比較的短い。 (4)温水暖房は、ボイラーの燃焼を止めた後も、室内の暖かさをある程度維 持できる。 (5)蒸気暖房は、運転を停止すると室内の暖かさは急速に失われる。
問4 ボイラーの各部の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)管ステーは、煙管ボイラーの管板などを補強するために用いられるが、 煙管と同様に伝熱管の役目も兼ねる。 (2)ガセットステーは、鏡板と胴との間に取り付けられるが、生ずる 熱応力が大きいため溶接で取り付けることができない。 (3)炉筒煙管ボイラーの火炎に触れる管板に取り付ける管ステーを縁曲げす る主な目的は、取り付け強度を高めるためである。 (4)溶接継手はリベット継手より継手効率は低いが、材質をあまり考慮する 必要がない。 (5)水管ボイラーのドラムには多数の管穴を設けるが、水管を取り付けるの で、強度的には穴のない同じ板厚の部分より強くなる。
問5 ばね安全弁についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ばね安全弁は、弁棒にコイルばねのたわみ応力をかけて弁体を弁座に押 すようにしたものである。 (2)ばね安全弁の圧力の調整は、調整ねじによってばねのたわみ量を加減し て行う。 (3)ばね安全弁の形式は、蒸気流量を制限する構造によって、揚程式と全量 式に分類される。 (4)揚程式は、安全弁のリフトが弁座口の径の1/30以上1/3未満のもの で、弁体が開いたときの弁座口の蒸気通路の面積が最小のものをいう。 (5)全量式は、弁座流路面積が弁体と弁座の当たり面より下部におけるノズ ルののど部の面積より十分大きなものとなるようなリフトが得られるもの をいう。
問6 過熱器及び再熱器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)放射形過熱器は、火炉の燃焼ガスの放射熱により蒸気を加熱するもので ある。 (2)対流形過熱器は、ボイラーのガス通路中に設けられ、燃焼ガスの対流 (接触)により蒸気を加熱するものである。 (3)放射対流形過熱器は、火炉の出口近くに配置され、燃焼ガスの放射と煙 道ガスの対流とにより蒸気を加熱するものである。 (4)再熱器は、過熱蒸気がタービン中で膨張して飽和蒸気に近づいたものを 取り出し、再び熱を加えてタービンに送り、蒸気タービンの熱効率を向上 させるものである。 (5)再熱器には蒸気再熱器と熱ガス再熱器とがあるが、近年、蒸気再熱器が 一般的である。
問7 フィードバック制御の動作に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ か。
(1)オン・オフ動作において、操作量を一つの値から他の値に変えるために は、制御量にある値の幅が必要であり、この制御量の変化の幅を動作すき 間(入切り差)という。 (2)オン・オフ動作は、比較的小容量のボイラーの圧力、温度、水位などの 制御に用いられており、最も一般的な方式である。 (3)比例動作は、P動作ともいわれ、制御偏差に比例して操作量を増減する もので、オフセットが生じない動作である。 (4)微分動作は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働 く動作で、D動作ともいう。 (5)積分動作は、制御偏差量に比例した速度で操作量を増減させるもので、 T動作ともいわれ、この動作は単独で用いられることがなく、比例動作と 組合せて用いられる。
問8
火炎検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (1)硫化カドミウム(CdS)セルは、光導電現象を利用したもので、ガン タイプ油バーナなどに多く使用されている。 (2)整流式光電管は、可視光線及び赤外線の照射による金属面の光電子放出 現象を利用して火炎の検出を行うもので、油燃焼炎の検出に適し、ガス燃、 焼炎には適さない。 (3)紫外線光電管は、整流式光電管と同じ原理を利用して火炎の検出を行う もので、蒸気噴霧式バーナ又は微粉炭だきボイラーに多く使用されている。 (4)硫化鉛(PbS)セルは、硫化鉛の抵抗が火炎のちらつきによって変化 するという電気的な特性を利用したもので、主に蒸気噴霧式バーナなどに 使用されている。 (5)フレームロッドは、火炎の導電作用を利用したもので、主にガス燃焼炎 に使用されている。
問9
蒸気圧力1.5MPa{15kgf/cm2}、給水温度40℃で、10t/hの飽和蒸気 (乾き度90.0%)を発生するボイラーの換算蒸発量の近似値として、正し いものは次の(1)〜(5)のうちどれか。 ただし、絶対圧力1.6MPa{16kgf/cm2}の飽和水の比エンタルピは 854.1kJ/kg{204.0kcal/kg}、蒸発熱は1938.6kJ/kg{463cal/ kg}とする。
(1)10470kg/h (2)10770kg/h (3)11140kg/h (4)11640kg/h (5)12480kg/h
問10
蒸発量が毎時10t、ボイラー効率が90%、燃料消費量が毎時750kgの 炉筒煙管ボイラーに使用された重油の低発熱量の近似値として、正しいものは 次の(1)〜(5)のうちどれか。 ただし、発生蒸気の比エンタルピは2780kJ/kg{664kcal/kg}、給水の 比エンタルピは100kJ/kg{24kcal/kg}とする。
(1)38780kJ/kg{9262kcal/kg} (2)39000kJ/kg{9316kcal/kg} (3)39700kJ/kg{9482kcal/kg} (4)40730kJ/kg{9728kcal/kg} (5)41080kJ/kg{9811kcal/kg}
問11 (ボイラーの取扱いに関する知識)
ボイラーの点火前の点検、準備に関する次の記述のうち、誤っているものは どれか。
(1)水面計の水位が標準水位であることを確認し、低いときは給水を行う。 (2)水面計が水柱管に取り付けられている場合は、水柱連絡管の止め弁が正 しく開通していることを確認する。 (3)ボイラー水のブローを必要としない場合でも、ブローコック、ブロー弁 は蒸気発生まで開いておく。 (4)給水タンク内の水量を点検し、十分な量であることを確認する。また、 給水管路の弁が確実に開いていること及び給水装置の機能が正常であるこ とを確認する。 (5)煙道の各ダンパを全開して、炉内及び煙道内の換気を行う。通風機があ る場合はこれを運転して換気する。
問12 ボイラー燃焼の調整、監視などに関する次の記述のうち、誤っているものは どれか。
(1)燃焼量を増す場合は、空気量を先に増してから燃料を増す。 (2)加圧燃焼においては、燃焼ガスの漏出を防止するとともに、通風計を見 ながら通風圧力を適正に保つ。 (3)火炎が、断続したり、火花を発することなく安定し、燃焼音の変化はな く、炉内圧力に変動のないよう監視する。 (4)火炎が中断したときには直ちに燃料弁を閉じ、ダンパを全開して十分に 換気する。 (5)火炎の色が暗赤色のときは通風を減じ、輝白色を呈し炉内が明るいとき は通風を増す。
問13 水位検出器の点検・整備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)電極式水位検出器は検出筒内の水のブローを1月に1回程度行い、蒸気 の凝縮によって水の純度を高く維持する。 (2)検出筒の分解、掃除の際には、電極棒を細か目のサンドペーパーで磨き、 電流を通りやすくする。 (3)熱膨張管式水位調整装置の水側連絡管は、素手でしっかり握れる程度の 温度以下でなければならない。 (4)フロート式水位検出器のベローズの破損の有無は、鉄錆の発生、水分の 付着などによっても判断できる。 (5)水銀スイッチは、ガラス管を支える台がしっかり固定されているか、ね じにゆるみはないかについてよく点検する。
問14 蒸気式スートブローに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)スートブローを行う際には、十分にドレンを切って乾燥した蒸気を用い る。 (2)スートブロワが複数の場合、燃焼ガスの流れに沿って上流側から行う。 (3)ボイラーの負荷が軽いとき又は消火中にスートブローを行ってはならな い。 (4)スートブローを一箇所で長く行ってはならない。 (5)スートブローが終了したら蒸気の元弁とドレン弁は確実に閉止する。
問15
ボイラーの使用中異常事態が発生し、緊急に運転を停止する場合の原則的な 順序として、正しいものは次のうちどれか。ただし、 A、B、C、D、Eは それぞれ次の操作を表すものとする。
A 主蒸気弁を閉じる。 B 燃焼用空気の供給を停止する。 C 燃料の供給を停止する。 D ダンパを開放したままとし、自然通風により冷却する。 E 給水の必要があるときは給水し、水位を保持する。
(1)A → B → C → D → E (2)B → C → E → A → D (3)C → B → A → E →
D (4)D → B → E → A → C (5)E → A → B → C → D
問16
「ばね安全弁の調整」について記述した次の文中で、AからCに入れる語句 の組合せとして、正しいものは次の(1)〜(5)のうちどれか。 「調整ボルトをあらかじめ定められた位置に設定する。ボイラーの圧力をゆ っくり上昇させると、安全弁が作動して蒸気が吹き出し、圧力が下がって弁が 閉じるので、その吹出し圧力及び( A )圧力を確認する。吹出し圧力が設 定圧力より低い場合は、いったんボイラーの圧力を設定圧力の( B )程度 まで下げ、調整ボルトを( C )吹出し圧力を上昇させる。また圧力が設定 圧力になっても安全弁が作動しない場合も、直ちにボイラー圧力を設定圧力の ( B )程度まで下げ、調整ボルトを緩めて再度試験する。」
A
B C (1)吹下り 75% 締めて (2)吹止まり 80% 締めて (3)吹下り 75% 緩めて (4)吹止まり 80% 緩めて (5)吹下り 85% 締めて
問17 ボイラーの清掃等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)水側の清掃作業では、スケールの付着が多い場合や悪質なスケールの場 合は、化学洗浄法のあとで機械的清掃法を併用することがある。 (2)燃焼ガス側の清掃には、手作業では届かないような高い管群部や狭い部 分に対してはスートブロワが用いられることがある。 (3)機械的清掃法とは、チューブクリーナーなどの機械を用いてスケールを 除去する清掃法で、清掃用の工具を用いて行う手作業清掃は含まない。 (4)燃焼ガス側の清掃時期は、煙道の排ガス温度の上昇や、通風力の低下な どにより判断する。 (5)酸洗浄では、薬液を用いて洗浄し、スケールの溶解除去を行うが、その 方法を誤ると使用する酸によって管が腐食することがある。
問18 水質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)水が酸性かアルカリ性かは、水中の水素イオン濃度(H+)と水酸化物 イオン濃度(OH-)により定まるが、これを表示する方法としては、 水素イオン指数pHが用いられる。 (2)硬度は、水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を、これ に対応する炭酸カルシウムの量に換算して表す。 (3)濁度は、水中に懸濁する不純物によって水が濁る程度を示すもので、蒸 留水1リットル中に白陶土(カオリン)1mgを含む濁り度を基準とし、こ れを濁度1度とする。 (4)酸消費量とは、水中に含まれる水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などの酸 性分を示すものである。 (5)酸消費量には、酸消費量(pH4.8 Mアルカリ度)と酸消費量(p H8.3 Pアルカリ度)とがある。
問19 イオン交換法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)一般に不溶性多孔質の固体で自身がもつイオンを他のイオンと交換でき る物質をイオン交換体という。 (2)イオン交換法には、大別して硬水軟化法とイオン交換水製造法とがある。 (3)硬水軟化法は、単純軟化と脱炭酸塩軟化に分かれる。 (4)イオン交換処理方式には、複床式、混床式及びポリシャ付きイオン交換 処理がある。 (5)H形陽イオン交換樹脂塔で処理する際に生成するアルカリを、更にOH 形強塩基性陰イオン交換樹脂塔により処理するとイオン交換水が得られる。
問20
蒸発量が1日35tの炉筒煙管ボイラーで、塩化物イオン濃度が10mg/ リットルの給水を行い、100リットル/hの連続ブローを行う場合、ボイラー 水の塩化物イオン濃度の計算上での近似値は、次のうちどれか。
(1)100mg/リットル (2)120mg/リットル (3)150mg/リットル (4)180mg/リットル (5)200mg/リットル
(午前終り)
一級ボイラー技士試験 B
問1 (燃料及び燃焼に関する知識)
燃料及び燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)燃料中の水素が燃焼して生成される水(H2O)が液体の場合は、気体 の場合と比べるとその蒸発潜熱分だけ多くの熱量が外部に放出される。 (2)通常、液体燃料も気体燃料も、単位質量あたりの燃料が完全燃焼した際 に発生する熱量を発熱量と呼んでいる。 (3)ユンカース式熱量計は、連続的に燃料をバーナで完全燃焼させ、発生し た熱量を、これを取り囲む水管内を流れる水の温度上昇とその流量から算 出する。 (4)着火温度は、燃料が加熱されて酸化反応によって発生する熱量と外気に 放散する熱量との平衡によって定まる。 (5)固体燃料と液体燃料の発熱量は、通常、断熱熱量計により測定する。
問2
次の文中の( )内のA及びBに入れる語句の組合せとして、正しいもの は(1)〜(5)のうちどれか。 「次の算式は標準温度における重油の体積V0を求めるものである。
V V0 = ───────── 1+a(t−t0)
この式で、aは重油の体膨張係数で、( A )である。t0は重油の標準 温度で、( B )である。」
A
B (1)0.007/℃ 10℃ (2)0.007/℃ 15℃ (3)0.007/℃ 25℃ (4)0.0007/℃ 15℃ (5)0.0007/℃ 25℃
問3 次の文中の( )内に入れるA、B、Cの語句の組合せのうち、正しいも のは(1)〜(5)のうちどれか。
「工業分析は、固体燃料を( A )または恒湿試料にして水分、灰分及び ( B )を測定し、残りを( C )として算出する。」
A
B C (1)気湿試料 揮発分 固定炭素 (2)気乾試料 固定炭素 揮発分 (3)気湿試料 硫黄分 揮発分 (4)気乾試料 揮発分 固定炭素 (5)気湿試料 硫黄分 固定炭素
問4
硫黄(S)1kgを完全燃焼させるのに必要な理論空気量(近似値)は、次の うちどれか。ただし、反応式は次のとおりである。
S + O2= SO2 (質量割合) 32 32
64 (1)1.12m3N (2)2.24m3N (3)2.67m3N (4)3.33m3N (5)4.76m3N
問5 燃焼ガスによる高温腐食及び低温腐食に関する次の記述のうち、誤っている ものはどれか。
(1)燃焼中の灰が昇華あるいは溶融状態で伝熱面に凝縮又は付着すると腐食 がおこる。 (2)重油灰は石炭灰に比べて量は少ないが腐食性は大きい。特にバナジウム を含む灰による腐食は激しく、バナジウムアタックと呼ばれる。 (3)高温腐食を軽減するために、添加剤を使用しバナジウムの融点を上げて 付着を防止する方法がある。 (4)硫酸蒸気が伝熱面に凝縮し始める温度を酸露点といい、金属面が露点以 下になると腐食量は急激に増加する。 (5)低酸素燃焼を行えば、SO2からSO3への転化率が低下するとともに露 点も低下するが、ボイラー効率も低下する。
問6 重油及び重油バーナに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)高圧気流噴霧式油バーナの特徴は、噴霧粒が細かく、灯油からタールま での広い範囲の油種に利用できるが、油量調節の範囲が狭い。 (2)低圧気流噴霧式油バーナは、比較的低圧の燃料油の圧力で燃料油の微粒 化を図るものである。 (3)バーナのアトマイザは燃料油を霧状に微粒化して、バーナ中心から炉内 に向けて円すい状に噴射する装置である。 (4)単室形のオートクリーナは、粘度の高い重質油のろ過に用いられる。 (5)油加熱器によるA重油の加熱温度は、C重油の加熱温度より高くしなけ ればならない。
問7 ガスバーナに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)拡散形バーナは、ガスと空気を別々に噴出し、拡散混合しながら燃焼さ せるバーナである。 (2)拡散形バーナは、燃料噴出ノズルの形式によってガンタイプ、リングタ イプ、アニュラタイプ及びスパッドタイプに分類される。 (3)予混合形バーナには、完全予混合形と部分予混合形がある。 (4)完全予混合形バーナには、空気圧により低圧のガスを吸引する方式のも のや高圧のガス圧力により空気を吸引する方式のものなどがある。 (5)予混合形バーナは、火炎が短く、高い火炎温度を得られることが特徴で あって、逆火の危険性も比較的少ない。
問8 燃焼室に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)燃焼室の大きさは、燃料、特に発生可燃ガスの燃焼を完結させるのに必 要なものとする。 (2)着火が容易な構造とする。このため、必要に応じてバーナタイルあるい は着火アーチを設ける。 (3)燃料と空気との混合が有効に、かつ、急速に行われるような構造とする。 (4)燃焼室の炉材は、予定の燃焼温度に耐え、長期間の使用においても焼損、 スラグの溶着などの障害をおこさないものとする。 (5)燃焼室の炉壁は、熱損失の少ない形状のものとし、また、燃焼室へ空気 を侵入させ壁面を冷却して炉材を保護する。
問9 ファン(送風機、通風機)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ か。
(1)多翼形ファンは、羽根車の外周近くに浅く幅長で前向きの羽根を多数設 けたものであり、シロッコファンとも呼ばれる。 (2)多翼形ファンは、小型、軽量、安価であるが、羽根の形状がぜい弱であ るため高温、高圧、高速には適さない。 (3)ターボ形ファンは、主板及び側板の間に8〜24枚の前向きの羽根を設 けたものである。 (4)プレート形ファンは、中央の回転軸から放射状に6〜12枚のプレート を取り付けたものである。 (5)プレート形ファンは、強度があり、摩耗、腐食に強く、プレート取替え も容易である。
問10 次の文中の( )内に入れるA及びBの語句、数字の組合せとして、正し いものは(1)〜(5)のうちどれか。
「( A )熱による損失は、ボイラーの熱損失中で一般に最大のもので、 重油燃焼方式のボイラーの場合は、( A )温度をtg℃、大気温度をto℃ とし、また、乾き( A )中の二酸化炭素の体積比を(CO2)%とすれば、 乾き( A )熱による損失L%は、次の式によって概算できる。 L=( B )(tg−to)/(CO2) % 」 A B (1)不完全燃焼ガス 0.59 (2)排ガス 0.68 (3)燃えがら 0.59 (4)不完全燃焼ガス 0.68 (5)排ガス 0.59
問11 (関 係 法 令)
ボイラー及び圧力容器の定義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ゲージ圧力0.1MPaの温水ボイラーで、伝熱面積が9m2のものは小 型ボイラーである。 (2)内容積が0.03m3以上で、ゲージ圧力0.2MPa以上の気体をその内 部に保有する容器は第二種圧力容器である。 (3)ゲージ圧力0.1MPaで使用する蒸気ボイラーで、伝熱面積が1m2の ものは小型ボイラーである。 (4)ゲージ圧力0.1MPaで、伝熱面積が15m2の貫流ボイラーは小型ボ イラーである。 (5)ゲージ圧力0.2MPaで使用する反応器で、内容積が0.2m3以下のも のは小型圧力容器である。
問12 ボイラーの構造検査に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはど れか。
(1)溶接によるボイラーは、溶接検査に合格した後に構造検査を受ける。 (2)構造検査を受けようとする者は、ボイラー構造検査申請書にボイラー明 細書を添えて、構造検査を行う者に提出する。 (3)組立式以外のボイラーの構造検査は、所轄都道府県労働局長が行う。 (4)移動式ボイラーについては、構造検査に合格した後、最初の設置地の所 轄労働基準監督署長が検査証を交付する。 (5)構造検査実施者は、構造検査に合格したボイラーに刻印を押し、かつ、 そのボイラー明細書に構造検査済の印を押して申請者に交付する。
問13 ボイラーの定期自主検査項目及び点検事項として、法令に定められていない ものは次のうちどれか。
(1)油加熱器及び燃料送給装置の損傷の有無 (2)燃料の貯蔵庫及び重油タンクの異常の有無 (3)ストレーナのつまり、または損傷の有無 (4)煙道の漏れ、その他の損傷の有無及び通風圧の異常の有無 (5)蒸気管及びこれに附属する弁の損傷の有無及び保温の状態
問14 就業制限に関する次の説明のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)最大電力設備容量50kWの電気ボイラーは、ボイラー取扱技能講習を 修了した者が取り扱うことができる。 (2)ゲージ圧力0.2MPa、伝熱面積14m2の温水ボイラーは、ボイラー 取扱技能講習を修了した者では取り扱うことができない。 (3)ゲージ圧力0.5MPa、伝熱面積3m2の蒸気ボイラーを据えつけるとき は、ボイラー据付工事作業主任者を選任する必要はない。 (4)ボイラー取扱技能講習を修了した者は、伝熱面積が3m2の蒸気ボイラ ーを取り扱うことができる。 (5)胴の内径が700mm、長さが1300mmの蒸気ボイラーは、ボイラー整 備士でなくても整備することができる。
問15 ボイラー室に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)安全弁、その他の附属品の検査及び取扱いに支障がなければ、ボイラー の最上部とその上部にある配管との距離は0.8mでもよい。 (2)ボイラーの設置場所に障壁を設けないで重油を貯蔵する場合、重油タン クをボイラーの外側から2m離しておけばよい。 (3)胴の内径が600mmで、その長さが1000mmの立てボイラーの外壁か ら壁、配管その他のボイラーの側部にある構造物(検査及び掃除に支障の ない物を除く。)との距離は0.3mでもよい。 (4)ボイラーに附設された金属製の煙道の外側から0.15mのところにあ る可燃性の物は、原則として、金属以外の不燃性材料で被覆しなければな らない。 (5)ボイラー室には水面計のガラス管、ガスケット、その他必要な予備品及 び修繕用工具類を備えなければならない。
問16
ボイラー技士をボイラー取扱作業主任者として選任する基準となる伝熱面積 の算定方法として、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
(1)胴の内径が750mmで、かつ、その長さが1500mmの蒸気ボイラーは、 伝熱面積に算入する。 (2)伝熱面積が14m2の温水ボイラーは、伝熱面積に算入する。 (3)伝熱面積が300m2の貫流ボイラーは、伝熱面積を30m2として算入 する。 (4)伝熱面積が20m2の貫流ボイラー(内径が400mm、かつ、その内容 積が0.4m3の気水分離器を有する。)は、伝熱面積に算入しない。 (5)伝熱面積が30m2の貫流ボイラー(気水分離器を有しない。)は、伝 熱面積に算入しない。
問17 附属品の管理に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)過熱器用安全弁は、胴の安全弁より先に作動するよう調整すること。 (2)燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材 料で防護すること。 (3)蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに近接した位置に現 在水位と比較することができるように表示すること。 (4)安全弁が2個以上ある場合において、1個の安全弁を最高使用圧力以下 で作動するように調整したときは、他の安全弁を最高使用圧力の6%増以 下で作動するよう調整することができる。 (5)圧力計は、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を 講ずること。
問18 安全弁についての次の説明のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)安全弁は、ボイラー本体又は主蒸気管の容易に検査できる位置に直接取 り付けなければならない。 (2)安全弁は、弁軸を鉛直にしなければならない。 (3)伝熱面積が50m2以下の蒸気ボイラーは、安全弁を1個とすることが できる。 (4)水の温度が120℃をこえる温水ボイラーには内部の圧力を最高使用圧 力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。 (5)過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の温度を設計温度以下に保持す ることができる安全弁を備えなければならない。
問19 給水装置に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1)給水内管は、取り外しができる構造のものでなければならない。 (2)蒸気ボイラーには、原則として最大蒸発量以上を給水することができる 給水装置を備えなければならない。 (3)蒸気ボイラーであって燃料の供給を遮断してもなおボイラーへの熱供給 が続くものは、随時単独に最大蒸発量以上を給水することができる給水装 置を2個備えなければならない。 (4)近接した2以上の蒸気ボイラーを結合して使用する場合には、当該結合 して使用する蒸気ボイラーを1の蒸気ボイラーとみなして給水装置を取り 付けることができる。 (5)貫流ボイラーの給水装置の給水管には、ボイラーに近接した位置に、給 水弁及び逆止め弁を取り付けなければならない。
問20 ボイラーの附属品に関する次の説明のうち、法令上、誤っているものはどれ か。
(1)最高使用圧力が1.6MPaを超えるボイラーの水柱管は、鋳鉄製として はならない。 (2)ガラス水面計は、そのガラス管の最下部が蒸気ボイラーの使用中維持し なければならない最低の水面を指示する位置に取り付けなければならない。 (3)鋳鉄製温水ボイラーで圧力が0.3MPaを超えるものには、温水温度が 120℃を超えないように温水温度自動制御装置を設けなければならない。 (4)燃焼安全装置は、作動用動力源が復帰した場合に自動的に遮断が解除さ れるものでなければならない。 (5)ボイラー技士の作業場所から2m以内に爆発戸を設けた場合は、そのボ イラーに爆発ガスを安全な方向へ分散させる装置を設けなければならない。
(終り)
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